取り止めがない話が多め『バカの壁』
- 作者: 養老孟司
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/04/10
- メディア: 新書
- 購入: 13人 クリック: 371回
- この商品を含むブログ (588件) を見る
昔めちゃくちゃ流行った本。養老先生は非常に賢い方だなーと本を読めば分かる。戦前は働かなくても喰えることを目指してたのに今ではホームレスは批判対象だ。このように「変わらない」と思う人間の価値観や考え方はドンドン変わる。変わることに気付き、あまり頭だけで考えすぎず、身体や共同体と連携して、その物事の意味を問い続ける必要があるという風に言いたいことを捉えた。
個性は生まれた時から与えられているものだ。個性より共通性を追求しろ
万物は流転する、ただし、「万物は流転する」という言葉(情報)は流転しない。グレゴールザムザは、変わらない人間と変わっていく情報という本来のあり方と逆に意識されるようになった現代社会の不条理を表す。
知るということは基本的には癌の告知だ。半年の命と言われれば、そこに咲いている桜の見え方が変わるはずだ。
考えるとは、脳の出力を入力にしてグルグル計算し続けること。神経細胞の維持という意味で役に立つ。
脳化社会の訪れにより、身体の使い方がわからない問題が大きい。オウム真理教が人を惹きつけたのも「神秘体験」で自分の身体と向き合ったからではないか。文武両道も、知ることと行うことは両輪あって意味があるという言葉だったのでは。
人生の意味は、自分で完結するものではなく社会との関係から生まれる。
脳に個性はない。むしろ身体のほうが個性的だ。
学問とは、生き物・人間などの万物を情報化する行為。いまの学生は、一旦、情報化されたものを処理するのは得意。