悩み相談の枠を超えて人とのコミュニケーションの仕方が整理されてます『オタクの息子に悩んでます』岡田斗司夫
最初は軽く読んでたんだけど、読み始めたらとても面白い!
モノを考えるということについては、僕なりに一定のルールを作っているし、自信もあるのだけど、如何せん、人が考えたことに対してのコメント力がない(答えを言っちゃう、プロセスをこう変えたらいいということしかいえない) と思っていたので、結構、どんぴしゃの本であった。
オタクの息子に悩んでます 朝日新聞「悩みのるつぼ」より (幻冬舎新書)
- 作者: 岡田斗司夫 FREEex
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2012/09/28
- メディア: 新書
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新聞で連載される悩み相談「父親が大嫌い」「ツイッターで悪口を書かれた」「女優と結婚したい」という、もうどうしようもないものまで含めた悩みについて、役に立つ回答をだすまでのプロセスが書かれている。
ヒトの悩みを聞いて、すぐに解決案を提示するのは、「実は自分の中に未解決な問題があって、それが解決できていないから。もっと問題の底に潜れ」と書かれている。すごく、ハッとしてしまった。僕はマダマダだなぁ。。。。
以下、本に書かれているメソッドを、僕なりに纏めてみた。特に太字の部分が刺さった内容。
- 同じ温度の風呂に入る(共感、立場)
- そのヒトの感情や感覚に十分に浸る。それは辛いよね と考える。その上で、悩んでいることが、どの人に共通の話なのか(「人間なんだから?」「同じ時代なんだから?」「男だから?」「その人独特だから?」)を考えると、「あ、ヒトごとじゃないな」と思え、共感できる。
- 絶対に相談者の味方になるというメンタリティを忘れない。「なぜこんなこともできないんだ?俺もこんなことを考えたことがあるけど、そのやり方はダメだよ」と思わない。その背後の「同様の悩みを持っている人たち」に届けるつもりで考える。
- 相手の悩んでいることを知る(分析&仕分け&フォーカス&潜行)
- そもそも、悩んでいる状態とは、複数の問題がこんがらがっている状態。であれば、それを解きほぐしてやることが必要。
- 話を一語一句変えずに書き出してみると、書いた人の気持ちや心の温度が伝わってくる。そうやって話の矛盾点や温度の高いところを見つける。(分析)
- ひたすら、何故何故何故と繰り返すと、プールのそこに手を打つ瞬間がある(潜行)
- その悩みに似た状況や現象がないかを考える(アナロジー)
- 解きほぐした悩みを、「いますぐ私が手を打たなければならない問題」「年内くらいに、私か誰かが手を打たなければならない問題」「人類がいずれ解決しなければならない問題」に分ける。(仕分け)
- 人には抱えられる問題の重量制限があり、にっちもさっちもいかなくなることがある。なので、仕分けて、今すぐ解決することだけに絞ってやることで第一歩が踏み出せる。
- ゴールを設定する(メーター&ピラミッド)
- 人間というものは、何かを考えるとき、ついゼロか100で考えてしまう。完全解決を望むと、達成は非常に難しくなる。自分の感情や価値観について、メーター表現すると急に客観的になれる。気はラクになることは確か。
- 全体の中の今の位置づけを考える。自分だけじゃないんだなと思うだけで気が楽になる。
- ゴールまでの道筋の提示(四分類&思考フレームの拡大)
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- 「最大多数の最大幸福(みんながハッピー)」「自由と権利(自分がハッピー)」だけでなく「美徳の追求(何が、共同体としてかっこいいか)」を入れて、この3つのバランスをどう取ったオプションを取るべきか、を考える。絶対の真実ではないけど、「今日の結論」を出すツールが3価値である。
- 「自由と権利」だけで考えると、ゴミのポイ捨ては個人の自由だ。で、雇用が創出されるから、悪いことではない。でもさ、ゴミのポイ捨てをするような自分たちって嫌じゃない?と考える。これが共同体主義。
- 「最大多数の最大幸福(みんながハッピー)」「自由と権利(自分がハッピー)」だけでなく「美徳の追求(何が、共同体としてかっこいいか)」を入れて、この3つのバランスをどう取ったオプションを取るべきか、を考える。絶対の真実ではないけど、「今日の結論」を出すツールが3価値である。