マクドナルド=昔は罪悪感とワクワクを。今は、ちょっと美味しい自動販売機ジュースと椅子を。
罪悪感とワクワクを売る
10年以上前、マクドナルドは、ワクワク感を売り物にしていた。もう少しきちんと言うと、数ヶ月に一回の新作ハンバーガーをワクワクしていたのだ。
よく考えてみると、このワクワクは、過剰に美味そうなCMを見て期待しておいて、買ってみて一口目を食べるまでのものであり、そのあとは大抵はがっかりしてしまうことを考えても、本当に美味しいものを食べる前のワクワクとは違う。でも、その、「なんだよー」も含めてのワクワクだ。
また、ハンバーガーを歳の数だけ買うみたいな遊びをしたヒトも多いと思う。これだって、貰ったヒトのドヒャーという顔を見たくて、ワクワクしてたわけだ。
つまり、ちょっと食べ物で遊んでいいの?という罪悪感と、食べ物を軸にしたエンターテインメント、ワクワクのバランスが良かったわけだ。つまり、パイ投げのようなものだ。
今はどうだろう。
確かに、まだ立地が良いところにある。昔より、値段のわりにうまいコーヒーを出す。でも、新作が減った。店が汚くなった。笑顔が減った。
ワクワクしない存在になった。
ただ、缶ジュースよりは美味いコーヒーを飲み、暇つぶししたいサラリーマンに、小さな正方形のイスを売っている。
最近は、社長が替わり、雰囲気がだいぶ変わった。ヘルシーに傾注したり、サラリーマン向けに昼マックを売ったり。でも、それは、食べ物で勝負し過ぎてると感じる。他の競合と同じ土俵に行ってる。
マクドナルドの本質は、罪悪感とワクワクを売るという、ブラックエンターテインメントだからだ。
大食いとかとシナジーはあると思う。
そういうイベントを地域でやるのは面白いと思うけどな。